偽造キャッシュカードによる不正な引き出しから預金者を守る

スキミング犯罪が多発

従来、金融機関の窓口にわざわざ並んで行っていた小額の出入金や振込みですが、ATM(現金自動預け払い機)の登場により、待ち時間もほとんどなく、気軽に行えるようになりました。

しかし、キャッシュカードの盗難、あるいはキャッシュカードの磁気記録情報を専用の機械を使って持ち主に知られることなく読み出して、カードのコピーを作るスキミング犯罪が多発し、ATMからの不正引き出しが社会問題化するようになりました。

こうした盗難・偽造カードによる不正な預金引き出しに対して2006年2月、「預金者保護法」が施行されました。この法律は、金融機関のATMで預貯金が不正に引き出された場合、預金者の被害救済のため銀行が補償を行うことを明記したものです。

ただし、盗難や偽造されたカードで被害を受けたからと言ったその被害金額の全てが保証されるわけではありません。例えば、暗証番号を他人に知らせたり、カードに暗証番号を書いていたり、カードを日常的に他人に貸していたといったケースではカードの持ち主に責任があるとされるため、補償は全くされません。

また、誕生日をそのまま暗証番号にしていて、その誕生日が記された書類と一緒にキャッシュカードを保管していた場合などは、カードの持ち主に軽度の過失があるとされ、被害金額の75%が補償されます。

全国銀行協会は2008年2月、カードだけではなく預金通帳が盗まれたり、ネットバンキングを不正使用されて被害が出た場合にも、銀行がその被害金額を保証することを決めました。この補償を受けるためには、預金者は通帳を他人に渡したり、盗まれたりしないように管理を行うこと、またネットバンキングに関しては、IDやパスワードが簡単にわからないように管理を行うことが求められます。