公的年金制度への不信で注目される変額年金保険の仕組み

運営が失敗すれば保険会社の経営が不安定になる恐れ

少子高齢化、年金受給開始年齢の引き上げ、保険料の未納率の増加など、公的年金制度の将来に不安を感じる人が増えたり、団塊世代の大量退職によって注目を集めているのが、生命保険会社が販売している変額個人年金です。

従来の個人年金保険は、契約の段階で予定利率が決まっているため、将来受け取ることができる保険金(年金額)は確定しているのに対し、変額年金保険は、運用実績次第で保険金(年金額)が変動するという点で大きな違いがあります。

運用実績が良ければ受け取る保険金が増えますが、逆の場合は保険金が減ってしまうこともあり得るため、ハイリスク・ハイリターンという一面があることを忘れてはいけません。

契約者が年金受給開始前に亡くなれば死亡保険金がもらえますし、運用期間中の収益は非課税になっているという税金面での優遇もあります。また予定利率が固定されている従来の個人件保険と違いインフレに対応できる可能性があります。

変額年金保険は保険商品ですが、その運用は投資会社が行っていることが多く、その運用コースも様々で、運用環境が芳しくないと契約者が考えたときには、積立金をどのくらいの比率で株や債券に投資するかを変更できる「スイッチング機能」を持たせた商品をあります。

運用実績は受け取りたいけど、リスクは取りたくないという方を対象に、一定の受取額を最低保証する商品もありますが、元本割れリスクをある程度程度抑えられる反面、手数料の設定も高目となっているため、コストとリターンが見合っているかをしっかり判断することが求められます。

変額年金は投資型商品と位置づけられているので、保険会社の営業職員による販売ルートと棲み分けし、主に銀行や証券会社の窓口で販売を行っています。通常の保険商品と異なりクーリングオフ制度は適用されませんので、契約時は注意が必要です。