メガバンク、地方銀行、信金・信組、ゆうちょなど多彩な顔ぶれ

大銀行には統合による規模のメリットが存在

日本銀行
日本の金融政策を担当している中央銀行です。日本銀行法に基づく認可法人ですが、ジャスダックに上場しています。

その役割はまず、通貨価値の維持に努めることで物価の安定を図ること、そして特定の金融機関が経営危機に陥った場合には、その影響が他の金融機関に波及しないように金融システムの安定化を図ることです。

日本銀行はこれらの任務を行うために、①日銀券(いわゆるお札です)の発行と回収、②「銀行の銀行」として、民間の金融機関での預金を預かり、逆に資金の貸し出しを行う、③金融政策で経済の安定を図るため、公定歩合の上げ下げで市場金利の誘導を行ったり、国債の売買、市場に流通する通過量を調整する公開市場操作を行う、④「政府の銀行」として、税金などの政府の収入の受け取りや、年金の支払いなどを行う、などの権利を有しています。

ゆうちょ銀行
2007年に日本郵政公社が「持株会社(日本郵政株式会社)」と「4事業会社(郵便局株式会社、郵便事業株式会社、株式会社ゆうちょ銀国、株式会社簡保生命保険)」に民営化・分社化して誕生した銀行です。全国展開している郵便局のネットワークを活用して、幅広い顧客に金融サービスを提供しています。

三大メガバンク
1980年代までは大都市に営業基盤を持ち、全国展開している都市銀行13行が「大手銀行」と呼ばれていましたが、バブル崩壊後の不良債権処理で経営体力の強化が求められたことと、国際競争力を得るためには規模の拡大が必要不可欠であることから、銀行は再編時代に入りました。

その結果誕生したのが、三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループのいわゆる「三大メガバンク」体制です。三大メガバンクは商業銀行だけでなく、信託銀行、証券会社、リース、シンクタンクなどからなるグループを形成し、総合的な金融サービス会社(ユニバーサルバンク)を目指しています。

他大手銀行
三大メガバンク以外の大手銀行としては、あさひ銀行と大和銀行という旧都市銀行を母体として、再編・統合を繰り返してきたりそなホールディングス、2011年に住友信託銀行と中央三井トラストホールディングスが統合して発足した「三井住友トラストホールディングス」があります。

地方銀行
地方銀行は、全国展開しているメガバンクとは違い、各都道府県に本店を置いて、主にその地方を中心に営業活動を行い、地域経済を支えている普通銀行です。その中でも、1989年以降に旧相互銀行から普通銀行に転換した銀行を第二地方銀行と呼んでいます。

資金量で見ると、福岡市に本店があるふくおかフィナンシャルグループが最も大きく、次いで横浜銀行、富山市のほくほくフィナンシャルグループとなっています。地域経済不振の影響で、貸し出し難を投資信託の販売などで補ってきましたが、現在、本格的な再編の渦中にあります。

信託銀行
普通銀行の預金業務に加えて、不動産や有価証券などの財産も預かり、それらを管理・運用したりする信託業務を行っています。近年では、年金や遺言、排出権なども信託の対象となっています。預金業務と財産管理、運用業務の両方の機能を持つため、高齢化社会の日本でその本領が発揮されるのはこれからだと期待されています。三菱UFJ信託、みずほ信託、三井住友信託銀行が大手信託三行と言われています。

信用金庫、信用組合
信用金庫は、地域の発展を目指す扶助組織として誕生した会員制度による協同組織の金融機関です。株式会社であるメガバンクや地方銀行と異なり、預金や貸し出しについて規定があります。

会員の資格は、信用金庫の営業地域に住んでおり、経営者は会員になれますが、個人事業者で常時雇用の従業員が300人を超える場合、また、法人事業者で常時雇用の従業員数が300人を超え、かつ資本金が9億円を超える場合には、会員となることができません。融資対象も原則会員となっていますが、一定の条件を満たせば会員以外への融資も認められています。

信用組合は、信用金庫と同じ協同組織の金融機関ですが、組合員資格は異なります。預金の受け入れにも制限があり原則として組合員だけとなっています。業務内容は、銀行や信用金庫と同じですが、法人取引は常時雇用の従業員数が300人(卸売業は100人、小売業は50人、サービス業は100人)以下、または資本金3億円(卸売業は1億円、小売業とサービス業は5000万円)以下の場合に限られます。

ネット銀行
パソコンやスマートフォンなどを経由して、振込み、残高照会、取引明細照会、定期預金取引などができるサービスで、楽天銀行、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行などがあります。24時間365日、いつでも入出金可能な点が最大の特徴です。